Kipu QuantumはIBM Quantumと提携し、量子アプリケーションのワークフローを簡素化するように設計されたプラットフォームであるQiskit関数カタログに、新しい最適化機能を導入しました。新機能の「Iskay Quantum Optimizer」は、Kipu QuantumのBias-Field Digitized Counterdiabatic Quantum Optimization(BF-DCQO)アルゴリズムを活用し、IBMの量子ハードウェア上で複雑な最適化問題を解くための強力なツールを提供します。 Kipu Quantumが開発したBF-DCQOアルゴリズムは、高次の無制約バイナリ最適化(HUBO)問題の解決において、従来の手法や量子近似最適化アルゴリズム(QAOA)、量子アニーリングなどの既存の量子アルゴリズムを上回る性能を示しています。このアルゴリズムは大規模な最適化タスクを効率的に処理できる能力を持ち、物流、金融、エネルギー管理における実用的なアプリケーションの有力な候補となっています。 Iskay Quantum OptimizerのQiskit関数カタログへの統合により、ユーザーは量子ハードウェアに関する深い専門知識がなくても、Kipu Quantumの高度な最適化機能にアクセスできるようになりました。量子回路の設計と実行の複雑さを抽象化することで、研究者や開発者は特定分野の問題解決に集中できます。 「この協力関係は、サードパーティの量子ソフトウェアサービスがQiskitエコシステムをいかに強化できるかを示す好例です」とIBMフェローでIBM Quantum担当副社長のJay Gambettaは述べています。「最適化の研究者たちがIBMの量子コンピュータ上で新しいユースケースを探求するためにKipu Quantumの機能を活用する様子を見るのが楽しみです」 2024年に開始されたQiskit関数カタログは、開発者が事前構築された量子ワークフローにアクセスできるプラットフォームを提供し、量子アプリケーションの開発を加速します。このカタログには回路関数とアプリケーション関数が含まれており、Kipu QuantumのIskay Quantum Optimizerは後者に分類されます。 2025年2月19日