CEA-Letiは、Quobly、CEA-List、およびCEA-Irigとの共同で、複数の量子ビットを同時にマイクロ秒単位で読み出すことが可能な極低温CMOS電荷読み出しICを発表し、量子ビットあたり18.5μWという記録的な低消費電力を達成しました。ISSCC 2025で発表されたこのソリューションは、FD-SOI CMOS技術と容量性フィードバック・トランスインピーダンス増幅器(CTIA)を活用し、4点および16点の直交振幅変調(QAM)を実現。これにより、既存の手法と比較して消費電力を10分の1に、設置面積を2分の1に削減しています。 この革新は、配線のボトルネックや極低温での電力制約など、量子コンピューティングにおける主要なスケーラビリティの課題に対応するものです。論文の筆頭著者であるQuentin Schmidtは、「このアプローチにより、量子ビットの効率的な多重化が可能となり、スケーラブルな量子集積回路への道が開かれます」と述べています。CEA-Letiの研究ディレクターであるFranck Badetsは、「量子ビットの読み出しにQAMを使用することは、従来の周波数分割多重化と比較して、よりコンパクトで電力効率の高いソリューションを提供する重要な改善点です」と付け加えました。 シリコンベースの量子コンピューティングのリーダーであるQuoblyは、従来の極低温CMOSエレクトロニクスと量子システムの統合が、スケーラブルな量子プロセッサに向けた重要なステップであると強調しています。QuoblyのチーフサイエンティストであるTristan Meunierは、「この研究は、制御機能と読み出し機能をチップ上で共に統合できることを実証しており、耐障害性のある量子コンピューティングへのロードマップにおける重要な一歩です」と述べています。 2025年2月20日