フィンランドの量子技術スタートアップSemiQonは、1750万ユーロ(1830万米ドル)の資金調達を実施しました。その内訳は、1500万ユーロ(1570万米ドル)の株式投資と、欧州イノベーション評議会(EIC)からの250万ユーロ(260万米ドル)の助成金です。この資金は、同社の極低温CMOS技術の開発、特にCool-CHIPSプロジェクトに充てられ、2年以内にTRL6からTRL8へと技術を進展させることを目指します。これにより、顧客環境での製品テストが可能となり、量子・古典計算市場における極低温CMOS技術への強い需要に対応します。 フィンランド技術研究センターVTTからのスピンアウト企業である同社は、スケーラブルで費用対効果の高いシリコンベースの量子プロセッサーも開発しています。SemiQonの極低温CMOS技術には、カスタムシリコン・オン・インシュレータ(SOI)プロセスを基に構築された、量子スピン量子ビット用の64チャンネルオンチップマルチプレクサーが含まれています。このマルチプレクサーは300mKの極低温下で動作し、量子ビットの加熱を避けるため静的消費電力を最小限に抑え、大規模量子システムのスケーラブルなインターフェースを可能にします。 SemiQonのアプローチは、既存の半導体インフラを活用することで、エネルギー消費とコストを削減しながら大量生産をサポートします。同社は、より早期の商業化を目指して極低温CMOSアプリケーションへの多角化を図りつつ、スケーラブルな量子コンピューティングの実現という長期目標に引き続き注力しています。 2025年2月23日