量子コンピューティングハードウェアのプロバイダーであるSCALINQと、チャルマース工科大学のスピンアウト企業であるQET Swedenは、APS March Meeting 2025にてQET Vidar進行波パラメトリック増幅器(TWPA)を発表しました。この増幅器はModel S(単一TWPA)とModel D(二重TWPA)の2つの構成で提供されます。両モデルとも、途切れのない4 GHzのゲイン帯域幅、先進的なフラックスバイアス、静電気放電(ESD)保護機能を備えており、信号の忠実度やシステムの安定性といった量子測定における主要な課題に対応しています。 QET Vidar TWPAは、特許取得済みの複数TWPA統合技術を活用し、1つの筐体に複数の増幅器を組み合わせることを可能にしています。この設計により、低ノイズ性能を維持しながら、設置スペースの削減とシステムセットアップの簡素化を実現しています。2つのTWPAを統合したModel Dは、量子ハードウェア開発者向けの費用対効果の高いソリューションを提供し、Model Sは広帯域と最小限のポンプ干渉を備えた単一増幅器オプションを提供します。 QETの共同創設者兼CSOであるPer Delsing教授の指導のもと開発されたこれらのTWPAは、チャルマース大学における超伝導回路研究の数十年の実績に基づいています。SCALINQとQET Swedenの協力は、研究者や開発者に量子測定能力を向上させるツールを提供し、量子コンピューティングのスケーラビリティと性能の向上を支援することを目指しています。 2025年3月17日