ポーランド、QKD技術を用いた国内初の量子暗号通信に成功

ポーランドは、国内で開発された量子鍵配送(QKD)技術を使用した初の量子暗号化通信の実証に成功しました。デジタル問題省と陸軍工科大学(WAT)の間で確立されたこの通信は、2つのQKDセットとNASKにおける信頼ノードを利用しました。通信はAES-256暗号化を用いたIPSECプロトコルで保護され、傍受や盗聴への耐性を確保しました。 QKDシステムを開発したOptokryptプロジェクトは、サイバー空間防衛軍が主導し、WAT、TELDAT、NASKとの協力により実施されました。このシステムは、量子コンピュータによるものを含むサイバーセキュリティの脅威に対処するように設計されています。この取り組みは、EU加盟国間で量子通信インフラを構築することを目的とするEUプロジェクト「EuroQCI」へのポーランドの参加の一環です。 ポーランドの量子通信ネットワーク「Pionier-Q」は、1,770キロメートルの光ファイバーを通じて、ワルシャワ、ポズナン、グダンスク、クラクフ、ヴロツワフなどの主要都市を結んでいます。このネットワークはヨーロッパ最大規模の一つであり、行政、国防、重要インフラのための安全な通信をサポートしています。Pionier-Qコンソーシアムは、CreotechやExatelなどの組織と共に、欧州のサイバーセキュリティ基準の開発に積極的に関与しています。 この実証は、機密データと重要インフラの保護におけるQKD技術の実用的な応用を示すものです。また、欧州の枠組みの中でのポーランドの量子通信技術における役割の拡大を示しています。 2025年3月18日