シドニー大学発のクォンタムセンシングのスピンアウト企業DeteQtは、ダイヤモンドオンチップ磁力計プラットフォームの開発を拡大するため、Main Sequence VenturesとATP Fundから75万豪ドル(47.1万米ドル)のプレシード資金調達を確保しました。この資金調達は、慣性航法、資源探査、医療診断などの実用的な応用を目指すデュアルチップ量子磁力計を実証するために昨年Defence Innovation Networkを通じて獲得した330万豪ドル(210万米ドル)の防衛契約に基づくものです。 DeteQtのアプローチは、窒素空孔(NV)ダイヤモンドセンシング素子とGlobal Foundriesで製造されたシリコンCMOS制御・読み出し回路を、コンパクトで製造可能なプラットフォームに統合するものです。このアーキテクチャは量子コンポーネントと古典的コンポーネント間の強力な結合を可能にし、低コストで拡張可能な展開を目指して設計されています。同社は現在、高感度磁場測定を実証するため、ダイヤモンド量子チップと共同設計された制御ASICを組み合わせた機能的プロトタイプを構築中です。 2023年にJim Rabeau博士とOmid Kavehei教授によって設立されたDeteQtは、シドニー大学のNano Instituteからコア技術のライセンスを取得しています。同チームは今年後半に米国法人を立ち上げ、商業的な関与を深め、より大規模な資金調達に備える計画です。Advanced Strategic Capabilities Accelerator(ASCA)からの契約を確保し、DeteQtは商用量子技術の最も早期に予測される市場の一つである量子センシングの製品化に向けて加速しています。 DeteQtはまた、重要鉱物の検出のためにFleet Spaceと、量子センサーを使用したポータブルMRIイメージングを探求するために米国のOneScanと、初期段階の協力関係を結んでいます。同社は、確立された半導体製造方法を活用して商業的に実行可能なコストで量子センシング性能を提供することにより、高インパクトセクターのためのスケーラブルなソリューションとしてプラットフォームを位置付けることを目指しています。 2025年3月29日