アルバック株式会社とアルバック・クライオ株式会社は、IBMの協力のもと、量子コンピュータ向けの次世代希釈冷凍機の開発を発表しました。2026年初頭の導入を目指すこのシステムは、超伝導量子ビットの動作に不可欠な10ミリケルビンの極低温環境を提供します。現在は主に海外ベンダーから調達されているシステムとは異なり、この取り組みは日本国内での生産体制を確立し、量子研究および産業界への迅速な納入と長期的な保守サポートを確保します。 このシステムは、サプライチェーンの独立性を確保するため、希釈ユニット、パルスチューブ冷凍機、真空部品を完全に自社製造しています。また、increasingly複雑化する量子プロセッサに対応できるスケーラブルなモジュール設計を採用しています。この開発はIBMのハードウェア仕様に基づいており、ニューヨーク州ポキプシーにあるIBMの量子データセンターで評価が行われています。この提携は、両社間の既存の半導体分野での協力関係を基盤とし、アルバックの量子低温技術への事業展開を拡大するものです。 この取り組みは、重要な極低温技術の国産化により、日本の量子インフラにおけるボトルネックに対処するものです。アルバックの長期的なロードマップには、IBMとの継続的な協力関係や、研究機関や産業パートナーへの極低温プラットフォームのグローバルな展開が含まれています。同社は、先進的な真空技術と低温工学を通じて、量子コンピューティングのサプライチェーン拡大において重要な役割を果たすことを目指しています。 2025年3月29日