IBMのQiskitファンクションカタログにQunovaのHI-VQE化学機能が追加

Qunova ComputingはIBMのQiskit Functions Catalogに「HI-VQE Chemistry」機能を導入し、量子化学における電子構造問題を解決するための新しいツールを研究者に提供しました。この機能の基盤となるHandover Iterative Variational Quantum Eigensolver (HI-VQE)アルゴリズムは、量子コンピューティングと古典的コンピューティングのリソースを組み合わせて、分子系の基底状態を効率的に推定します。 この量子-古典ハイブリッドアプローチは、最も関連性の高い電子配置のサブセットに焦点を当て、高精度を維持しながら計算の複雑さを大幅に削減します。量子ハードウェアを使用して候補となる配置を探索し、古典的コンピューティングで結果として得られる波動関数を計算することで、より大きな分子系の研究や正確なポテンシャルエネルギー曲面の構築が可能になります。これらの曲面は、化学、材料科学、創薬における応用に不可欠です。 IBM Quantum Premiumプランのユーザーが利用できるこの機能は、既存の計算化学ワークフローに簡単に統合できるAPIを提供します。研究者は量子コンピューティングの方法論に関する深い専門知識がなくても、Li2SやFeP-NOなどの分子の解離ポテンシャルエネルギー曲面の計算などのタスクにこのアルゴリズムを適用できます。 HI-VQEの反復的な改良プロセスにより、最も関連性の高い電子配置がサブスペースに含まれることが保証され、精度と計算効率の両方が向上します。この機能は、分子間相互作用、反応メカニズム、材料特性の理解に不可欠なポテンシャルエネルギー曲面の構築に特に有用です。触媒、材料設計、製薬研究などの分野に応用が広がっています。 2025年3月25日