コーネルとIBMが主導する共同研究、フィボナッチ・アニオンの組み紐操作による位相的量子ゲートの検証に成功

IBM、コーネル大学、ハーバード大学、ワイツマン科学研究所の研究者らによる国際共同研究チームが、Nature Communicationsに研究論文を発表しました。「String-Net凝縮の実現:ユニバーサルゲートとクロマティック多項式サンプリングのためのフィボナッチアニオン編組」と題されたこの研究は、エラー耐性のあるユニバーサル量子ゲートの実装と、複雑な問題に対する位相的量子コンピュータの応用に焦点を当てています。これには、二次元空間において、エキゾチックな準粒子であるフィボナッチstring net凝縮(Fib SNC)アニオンの編組によって情報をエンコードした初めての事例が含まれています。 このアプローチの二次元性は、量子計算における故障耐性とエラー耐性を実現する可能性があることが強調されています。研究チームは、クロマティック多項式に関する既知の複雑な問題で、グラフサイズが増加すると従来の計算能力を急速に超えてしまうものについて、その手法を実証しました。特定のグラフのクロマティック多項式をサンプリングする使用プロトコルは、スケーラブルになるよう設計されており、量子コンピュータを持つ他の研究者がより大規模に複製できるようになっています。IBMの研究者らは、位相的状態の理論の理解と、量子コンピュータ上での実装プロトコルの設計に貢献しました。 この研究は、フォールトトレラント計算の手法である普遍的位相的量子コンピューティングに向けた一歩を表しています。これは、実用的な量子コンピューティングの前提条件である、低エラー率での複雑な量子アルゴリズムの実現という課題に取り組むものです。この共同研究は、位相的に秩序づけられた多体量子系とその量子計算への応用に関する研究を進展させるため、産業界と学術界の科学者による多様なリソース、専門知識、洞察を活用する役割を強調しています。この研究は、全米科学財団、米国エネルギー省、アルフレッド・P・スローン財団からの支援を受けています。 2025年7月16日