アナログ・デジタルプロセッサを活用した逐次量子計算による最適化の向上をKipu Quantumが実証

Kipu Quantumの研究者たちは、逐次量子コンピューティング(SQC)と呼ばれる計算パラダイムを実証しました。SQCは、アナログとデジタルのハードウェアを含む、異なる種類の量子プロセッサを連携させ、それぞれの長所を活用し、制限に対処するものです。このアプローチは、個々のシステムだけでは達成できない可能性のある計算結果の性能向上を目指しています。 Kipu Quantumは、156量子ビットまでのIBM Heronデバイス向けに適応された、数百の三体項を含む組合せ最適化問題にSQCを適用しました。この実証ではバイアス場デジタル化された反断熱的量子最適化(BF-DCQO)アルゴリズムが使用されました。実験では、D-WaveとIBMの量子ハードウェアを組み合わせたSQCアプローチと、各プラットフォームでのスタンドアロン方式を比較しました。結果は、SQCアプローチが必要な測定回数の削減(特定の事例では量子アニーリングで36倍、BF-DCQOで6倍)を実現し、近似比のばらつきが小さく、平均性能が向上したことを示しました。 SQCは、異なる量子プラットフォームを統合することで、進化する量子ハードウェアが直面する計算上の課題に対処することが期待されています。このパラダイムは最適化を超えて、より広く適用できると予想されています。Kipu Quantumは、材料の量子シミュレーション、量子化学、量子機械学習などの分野にSQCを拡大する計画です。同種および異種の量子プロセッサを組み合わせる能力により、現在の量子ハードウェアの能力を押し上げながら、解の質とリソース活用の向上を目指しています。 2025年7月16日