Q-CTRL、初の海上試験で防衛用の量子ベースの海洋航法システムを実証

Q-CTRLは、新しい海洋量子航法ソリューションの防衛実験を海上で成功裏に実施しました。実験はオーストラリア国防省と共同で、オーストラリア海軍の多目的航空訓練船(MATV)MVシカモア号において実施されました。これは実際の海洋環境における、ソフトウェアで堅牢化された量子センシング技術の有効性が実証されたことを示しています。 この実験で、Q-CTRLは量子二重重力計を実地展開しました。これはGPSが利用できない、または信頼できない状況で、地球の重力の変化を測定して位置、航法、タイミング(PNT)情報を提供するものです。システムは144時間以上連続して稼働し、海上作戦中に人間の介入なしでデータ収集に成功しました。二重重力計は単一のサーバーラック内に「ストラップダウン」構成で設置され、180Wの電力を消費しました。Q-CTRLのソフトウェア堅牢化戦略により、船舶の動きやエンジンの振動によって引き起こされる信号劣化に対処し、センサーの動作を回復させました。この取り組みは、以前成功した量子磁気航法ソリューションの空中実地試験を基に構築されています。 この開発は、防衛および商業環境におけるGPS妨害がもたらす戦略的課題に直接対応するもので、ジャミングやスプーフィングの影響を受けない信頼性の高いGPS代替手段を提供します。量子センサーは基本的な物理法則に基づいて動作し、時間とともに変化しない出力を提供することで、長期間にわたる航法に不可欠な長期安定性を実現します。Q-CTRLの航法機能は、過去にGPS信号の中断が発生した争点のある海洋環境において有用です。 Q-CTRLはオーストラリア国防省とパートナーシップを確立し、英国のDASAアクセラレーターと契約を締結し、英国海軍から実地試験の支援を受けています。また、米国防イノベーション部門のプログラムを受注し、米国防総省との量子航法試験にも選ばれています。これらの取り組みは、有人および自律型車両の航法を含む重要な防衛作戦における量子センシング技術の応用を実証しています。技術実証の詳細はネイチャー誌に掲載されています。 2025年7月16日