マイクロソフトは、昨年3月のAPS会議以降のトポロジカル量子ビット研究の進展を示す技術論文を発表しました。具体的には、テトロン構造に設計された2つのループについて、フェルミオンパリティの単一ショット干渉測定を実施しました。これらの測定は、開発中の測定ベース量子コンピュータにとって重要なステップとなるテトロンのパウリX測定とZ測定を実装するものです。パウリX測定は、2つのマヨラナ・ゼロモード(MZM)を含むループ内の2箇所でフェルミオンパリティを測定することで実現されます。パウリZ測定は、別の2つのマヨラナ・ゼロモード(MZM)を含むループでの別のフェルミオンパリティ測定によって実現されます。 これらの測定の初期性能指標では、XとZ測定ループで観測されたパリティスイッチについてτX= 14.5 ± 0.3µsとτZ= 12.4 ± 0.4ms、X測定の割り当てエラーは16%、Z測定は0.5%となっています。マイクロソフトでは、より大きなトポロジカルギャップを得て、より短いコヒーレンス長を達成するため、材料と製造技術の改良を通じてこれらの性能指標を向上させる取り組みを今後も続けていきます。 マイクロソフトはこの研究についてより詳細な技術論文を公開しています。 2025年7月11日