UbiQDとファースト・ソーラー、太陽光発電パネル用量子ドットの長期供給契約を締結

量子ドット(QD)ナノテクノロジーを専門とするUbiQDは、First Solar, Inc.と独占的な複数年契約を締結し、同社独自の蛍光QD技術を供給することになりました。この契約により、First Solarの薄膜両面太陽光発電(PV)パネルにQD技術が導入されることになります。これはディスプレイ産業以外で初めての大規模なQD供給契約となります。この提携は、2023年に始まった両社の共同開発の取り組みを基盤としており、今回の供給契約と研究開発協力の拡大につながりました。 ロスアラモス国立研究所とMITで開発されたUbiQDの独自の量子ドット技術は、特定の波長における光変換の両面量子効率を向上させるように設計されています。これらのQDを太陽光パネルのカプセル化に組み込むことで、特に両面パネルの裏面での光捕捉を強化し、その面の効率を向上させる可能性があります。UbiQDの量子ドットは、カドミウムに代わって銅とインジウムの無毒な組み合わせを使用しています。First Solarは2026年後半にQD搭載パネルの商業展開を予定しています。 この供給契約により、UbiQDの生産量は年間100メートルトン以上に達する見込みで、これは現在の世界のディスプレイ産業における量子ドットの需要を上回ります。この展開は、2025年4月のUbiQDの2000万ドルのシリーズB資金調達に続くもので、ニューメキシコ州での大量QD製造施設の設立計画を支援します。この米国を拠点とする2社の協力は、米国内の競争力のある発電能力を拡大する取り組みと一致しています。 実用規模では、QD統合による両面性の向上が全体的なエネルギー収量に貢献できます。この取り組みは、量子ドットをディスプレイでの従来の応用を超えて、太陽光スペクトルの最適化技術として位置づけています。この取り組みは、グローバルに競争力のある市場でメーカーを支援する、太陽光発電の効率と材料の進歩に貢献します。 2025年7月10日