イオンQとワシントン大学、量子コンピューターでニュートリノを放出しないダブルベータ崩壊をシミュレーション

IonQ(NYSE: IONQ)とワシントン大学量子シミュレーション研究所(IQuS)の研究者たちは、量子コンピュータを使用して「ニュートリノレス二重ベータ崩壊」と呼ばれるプロセスの初のシミュレーションを実施しました。IonQのForte Enterprise量子システムで実施されたこのシミュレーションでは、量子コンピュータで直接シミュレーションされたことのない現象である「レプトン数の破れ」を観測しました。これは宇宙における物質と反物質の不均衡の理解に影響を与えるものです。 研究チームが採用したシミュレーション技術により、ヨクト秒(10⁻²⁴秒)のタイムスケールでの核動力学のモデリングが可能になりました。このアプローチは、IonQのイオントラップ型量子ハードウェアのために共同設計され、カスタマイズされ、その全結合性とネイティブゲートを活用しています。問題は32量子ビットにマッピングされ、さらに4量子ビットがエラー軽減に割り当てられました。2,356個の2量子ビットゲートを含むこのシミュレーションをサポートするため、新しい量子回路コンパイルとエラー軽減技術が使用され、観測の高精度化に貢献しました。この取り組みには米国エネルギー省の量子科学センターも参加しています。 このデモンストレーションは、量子コンピュータが従来のシステムでは到達できない基礎物理学のプロセスをモデル化できることを示す証拠を提供し、宇宙の主要な物質組成を理解するためのグローバルな追求に新たな道を開きました。この発見は、核物理学と素粒子物理学における量子モデリングの応用を実証するものです。この研究は、量子による基礎物理学の最前線を進展させることを目指し、他の対称性の破れ現象の将来の研究への道を開くことを意図しています。 2025年6月25日