マイクロソフト、量子誤り訂正のための新しい4次元幾何学的コードを発表

量子誤り訂正(QEC)研究の進展について、最近多くの発表がありましたので、優れたコードの望ましい特徴を確認しておくと良いでしょう: Microsoftは、Atom Computerの今後発売予定の中性原子プロセッサーや他のプロセッサーアーキテクチャーでの初期実装を目指した4次元幾何学的誤り訂正コードの開発を進めています。彼らが説明したこのコードの具体的な実装は[[96,6,8]]コードで、これは96個の物理的量子ビットのデータ、6個の論理量子ビット、そしてコード距離8を意味します。このコードには誤り測定のために128個の補助量子ビットが追加で必要です。この物理・論理比率は表面コードよりもはるかに効率的で、Photonic Inc.が使用するSHYPSコードやIBMが使用する二変量自転車コードと競合できるものです。物理量子ビットの物理的エラー率が10-3と仮定すると、Microsoftの[[96,6,8]]コードにおける論理量子ビットの論理エラー率は10-6となります。 このコードは柔軟性を持つように設計されており、全結合性を持つ中性原子、イオントラップ、光量子ビットなど、全結合性をサポートするあらゆる量子ビットモダリティで使用できます。ただし、超伝導モダリティを使用する量子コンピューターでは、通常必要な量子ビット間の接続性を実現できないため、おそらく機能しないでしょう。 関連する論文で、Atom Computingはまた「中性原子量子コンピューターにおける論理計算のための補助量子ビットの繰り返し再利用」と題した論文をarXivで発表しています。この論文では、Atom Computingが回路中測定を使用して補助量子ビットを測定し、再利用のためにリセットし、量子回路の実行中に既存の原子の結合性を維持しながら失われた原子を置換する方法について説明しています。 GQIは「量子ハードウェアQECの現状」と題した22ページのプレゼンテーションを作成し、いくつかの異なるコードの比較とともに量子誤り訂正の多くの側面をカバーしています。このプレゼンテーションの入手方法については、info@global-qi.comまでお問い合わせください。 2025年6月19日