ドイツの量子ハードウェア企業eleQtronは、イオントラップ型量子プロセッサの産業規模での製造を目指し、Research Fab Microelectronics Germany (FMD)との長期的な協力関係を発表しました。この取り組みは、eleQtronが研究室で開発したMAGIC©(Magnetic Gradient Induced Coupling)アーキテクチャを、FMDの先進的なマイクロ・ナノ製造インフラを活用して生産可能なチップへと移行することを目指しています。 この提携では、Fraunhofer ENASやFraunhofer ISITなどFMDの主要メンバー研究所の能力を活用します。初期の取り組みは、MEMSおよびCMOS互換のプロセス開発、異種材料の統合、およびイオントラップハードウェアの特殊な要件に合わせた新しいパッケージング技術に焦点を当てています。ウェハーレベルの製造と評価は2025年5月に開始され、ENASが精密イオントラップ部品の製造における中核的な専門知識を提供しています。 この開発は、欧州の量子コンピューティングのための堅牢な産業規模のハードウェア生産を可能にするというeleQtronの広範な戦略の一環です。2020年に設立された同社は、これまでにDLRとForschungszentrum Jülichへの導入のために5000万ユーロ以上の契約を獲得しており、国家量子イニシアチブの下でNXP、parityQC、Infineonなどのパートナーと協力しています。 2025年6月13日