Nu Quantumは、量子プロセッサ間で高忠実度かつリアルタイムのもつれ分配を可能にするように設計された、モジュール式でデータセンター対応のQuantum Networking Unit(QNU)を発表しました。分散型量子コンピューティングシステムのスケーリングのための基盤コンポーネントとして位置づけられるQNUは、光子動的エンタングラーと低遅延量子ネットワークオーケストレーターを19インチラックマウント形状に統合しています。 このシステムは、動的に切り替え可能な光学経路と同期制御を介してイオントラップ・プロセッサのクラスターを接続するように設計されています。エンタングラーは最大99.7%のもつれ忠実度でサブマイクロ秒の回路切り替えを可能にし、オーケストレーターは300ナノ秒の遅延とMHzスケールのもつれ試行レートを実現します。このアーキテクチャは、データセンター環境全体で高スループットで耐障害性のあるネットワーキングをサポートすることを目指しています。 英国政府の中小企業研究イニシアチブ(SBRI)の下で開発されたQNUは、Nu Quantumのマルチノードネットワーキングテストベッドに導入され、CERNのホワイトラビットプロトコルなどのタイミングソリューションとの将来的な統合も可能です。同社の広範なロードマップには、このシステムと以前に開発された量子ビット-光子インターフェースを組み合わせて、異種プロセッサ間で抽象化されたモジュール式の量子レイヤーをサポートすることが含まれています。 QNUは、モダリティと構成の柔軟性のためのモジュール式制御-光学分離アーキテクチャを特徴としています。Nu Quantumは、分散型量子システムのスケーリングにおける商業的実現可能性を確保するため、量子ビットベンダーやインテグレーターと協力してこのプラットフォームを開発しました。この発表は、プロトタイプの実験室デモンストレーションから、商業的実用性を目指した展開可能な量子インターコネクトへの転換点となります。 2025年6月12日