OrangeビジネスとToshiba Digital Solutionsは、量子鍵配送(QKD)とポスト量子暗号(PQC)を組み合わせた、フランス初の商用量子セキュアネットワークサービスを共同で開始しました。Orange Quantum Defenderと呼ばれるこのソリューションは、現在パリ首都圏の企業顧客向けに提供されており、すでにフランスの大手金融サービス企業の重要データを保護しています。 このシステムは、Orangeの商用光ファイバーインフラ上でToshibaのQKD技術を活用し、ハードウェアベースの量子鍵交換と量子攻撃に耐性のあるソフトウェアベースの暗号化アルゴリズムを組み合わせた多層防御戦略を統合しています。このアーキテクチャは、現在流出した機密データを量子コンピュータによる将来の解読のために保持する「今保存して、後で解読する」戦術の増大する脅威に対応します。この多層的なアプローチは、金融、公共インフラ、医療などの分野における長期的な機密性を提供するように設計されています。 このサービス開始は、両社による長年の共同テストの成果です。これまでの共同実証では、従来の光ファイバーネットワークにおけるToshibaのQKDの拡張性と性能が検証され、長距離かつ従来のデータ信号との共存において高い秘密鍵レートを維持できることが示されました。この新サービスは、フランスの国家量子戦略にも貢献し、Orangeを量子耐性インフラの主要オペレーターとして位置付けています。 2025年6月11日