DiraqとQM Technologiesは、シリコンベースの量子プロセッサとNVIDIA DGX Quantum基盤を統合することで、リアルタイムのハイブリッド量子古典制御を実証しました。このセットアップでは、QMのOPX1000コントローラを介して、Diraqの量子ハードウェアとNVIDIA Grace Hopperスーパーチップ間で3.3マイクロ秒の往復遅延を達成しました。この遅延により、コヒーレンス時間内でのライブフィードバックと意思決定が可能となり、実用的な量子コンピューティングへの主要な障壁に対処しています。 システム導入から1週間以内に3つのユースケースが実装されました:リアルタイムの相関読み出し、機械学習駆動のキャリブレーション、GPUによる量子状態初期化の高速化です。それぞれが量子システムにおけるスケーリングのボトルネックに対処しています。Diraqの発表済み研究に基づく相関読み出しアプリケーションでは、従来のFPGAを超える計算能力が必要でした。一方、キャリブレーションと初期化ルーチンはGPUベースの自動化を活用し、調整時間を大幅に削減し、状態準備の効率を改善しました。 この実験は、NVIDIA DGX Quantumプラットフォームとシリコン量子プロセッサを組み合わせた最初の報告例となります。古典的なアクセラレータがリアルタイムの量子制御タスクを支援するハイブリッドコンピューティングアプローチの有効性を実証しています。この結果は、DiraqのCMOS互換量子ドット量子ビットとAI加速制御ループの互換性を示すとともに、QMのハードウェア非依存制御スタックの柔軟性を実証しています。 今後、パートナー企業はこのアーキテクチャをリアルタイム量子エラー訂正プロトコルに対応させる計画です。DGX Quantumは、量子アルゴリズム開発のためのNVIDIAのCUDA-Qプラットフォームとの統合も可能にし、ソフトウェアとハードウェアの協調設計やハイブリッドアルゴリズムのプロトタイピングをさらにサポートします。 このプロジェクトはGTC Paris 2025で発表される予定です。 2025年6月11日