ポータブル量子システム向け、Quantum Brillianceが半導体サプライチェーンへのダイヤモンド集積を進展

Quantum Brillianceは、ダイヤモンドベースの室温量子プロセッサの出荷を開始し、Fraunhofer IAFやOak Ridge National Laboratoryへの導入を予定しています。同時に、同社はヨーロッパの研究機関imecと協力し、ダイヤモンドを標準的な半導体製造プロセスに統合する研究を進めています。この取り組みは、CPUやGPUボードなどの従来のコンピュータアーキテクチャに量子プロセッサを組み込むという長期的な目標を支援するものです。 ダイヤモンドの窒素空孔(NV)中心量子ビットを基盤とするQuantum Brillianceの技術は、極低温装置を必要とせず、モバイル量子コンピューティングや一体型センシングなどの用途を対象としています。同社は、1800万ユーロのチップ開発プロジェクトと、ドイツでの3500万ユーロのポータブル量子ハードウェア構想の一環として、コンパクトな形状で25~100量子ビットのシステムを設計しています。これらの非フォールトトレラントシステムはNISQ(ノイズのある中規模量子)レジームに分類され、AI推論や分子モデリングなどに応用されます。 imecとの共同研究は、リソグラフィ、メタライゼーション、ハンドリングプロセスを含むCMOS互換の製造にダイヤモンドを適応させることに焦点を当てています。完全なCMOS互換性が実現困難な場合、スペインのマラガにあるimecの12インチファブなどのフォトニック生産プラットフォームが検討されています。また、防衛や科学機器への応用を視野に入れたセンシング機能の統合も評価中です。 同社の最新世代のハイブリッドシステムQB-QDK2.0は、QPUとクラシカルコプロセッサ(NVIDIAのGPUを含む)を1つのボックスに統合しています。このアーキテクチャはハイブリッド量子古典アルゴリズムの開発をサポートし、現在Fraunhofer IAFなどのパートナーによってテストされています。Oak Ridgeは3つのシステムを導入し、分子シミュレーションなどの量子ワークロードにおける並列処理を研究する予定です。これと並行して、Quantum Brillianceは東京に新オフィスを設立し、日本での商業展開を図っています。 2025年6月6日