チェコのサイバーセキュリティスタートアップWultraは、ポスト量子認証技術の開発を加速させるため、Tensor Ventures、Elevator Ventures、J&T Ventureから300万ユーロ(309万米ドル)の資金調達を確保しました。この投資により、今後5年以内に従来の暗号化手法を無効化する可能性のある量子脅威から、金融機関を保護することが可能になります。 Wultraのモバイルファースト・ソフトウェア認証やハードウェア認証機Talismanなどのソリューションは、すでにRaiffeisen Bank International、Erste Digital、OTP Bankなどの主要な欧州の銀行から信頼を得ています。同社のハードウェアは欧州連合内で完全に製造されており、PSD3やeIDAS 2.0などの厳格なセキュリティ基準に準拠しています。 この資金調達により、Wultraは西欧および東南アジアへの展開を支援し、2025年にはシンガポールに事務所を開設する計画です。Petr Dvořák CEOは、量子コンピュータが現在の暗号化方式を破る可能性がある「Q-day」に向けた準備の緊急性を強調し、金融セクターにおけるポスト量子セキュリティへの需要の高まりを指摘しました。 2025年1月17日