IonQ、大規模言語モデルのファインチューニングと材料モデリングにおけるハイブリッド量子AIアプリケーションを実証

IonQは、量子コンピューティングが人工知能のワークフローをどのように強化できるかを示す2つの新しい研究成果を発表しました。特に言語モデリングと材料科学の分野においてです。一つ目の取り組みでは、IonQの研究者たちが感情分類タスクの微調整を改善するため、事前学習済みの大規模言語モデル(LLM)に量子機械学習(QML)層を統合しました。このハイブリッド量子古典アーキテクチャは、同程度のパラメータ数を持つ古典的なベースラインを上回る性能を示し、46量子ビットを超える問題サイズにおいて、精度とエネルギー効率の向上が期待できることを示しました。 二つ目の取り組みでは、IonQが大手自動車会社と協力し、鋼材の微細構造の画像拡張に量子強化生成敵対的ネットワーク(QGAN)を適用しました。このハイブリッド量子古典パイプラインから生成された合成画像は、テストケースの最大70%において、古典的なGANベースラインと比較してより高い品質スコアを達成しました。このプロジェクトは、材料最適化を導くモデルのトレーニングに必要な高品質な分野特有のデータセットの不足という、産業AIにおける重要な制限に対処するものです。 両プロジェクトは、AIにおける量子コンピューティングの近期的な実用規模アプリケーションに関するIonQの幅広い戦略的焦点を示しています。同社は工学分野での量子シミュレーションのためにAnsysとの統合を引き続き模索しており、また日本のAISTと提携して量子AI研究を進めています。これらの進展は、自然言語処理、製造、科学計算などの分野におけるAI能力向上におけるハイブリッド量子システムの役割を強化するものです。 2025年5月1日