QC Designは、NVIDIAのcuQuantum SDKとの統合により、量子フォールトトレランス設計ソフトウェアPlaquetteにおいて、大幅な性能向上を発表しました。このアップデートではcuTensorNetを活用し、フォールトトレラントな量子回路の高性能なフルステートシミュレーションを実現しています。その結果、Plaquetteは20GBのメモリを搭載したNVIDIA RTX 4000 Ada GPU1台で400量子ビット以上のシミュレーションが可能になりました。これは、120GBのRAMを使用して通常約60量子ビットしかシミュレーションできない現行のCPUベースのモンテカルロシミュレータと比較して改善されています。 GPUによる高速化されたシミュレーションは、大幅な性能向上ももたらしています。Plaquetteは、60量子ビット回路のサンプリング処理能力において、CPUベースの代替手段と比較して少なくとも180倍の高速化を達成しており、現実的なフォールトトレラントアーキテクチャにおけるコヒーレントエラーや振幅減衰などの複雑なエラーモデルのシミュレーションを実現可能にしています。これにより、ハードウェアチームは実用的なフォールトトレラント量子システムの設計に不可欠な、フルステート忠実度での量子エラー訂正プロトコルの正確なモデル化、分析、最適化が可能になります。 Plaquetteは現在、20種類以上のハードウェアの不完全性をモデル化し、文献に記載されている最も広範なフォールトトレランスプロトコルをサポートしています。GPUによる高速化が主要機能として統合されたことで、QC Designは量子ハードウェアチームの開発期間とコストの削減を目指しています。 2025年3月21日