QSENSATOが精密センシングのための集積型原子量子センサー開発に50万ユーロ(56万米ドル)を調達

バーリ大学のスピンオフ企業QSENSATOは、集積型原子セル量子センサーの開発と商業化を加速させるため、LIFTTとQuantum Italiaから50万ユーロ(56万米ドル)のプレシード資金調達を完了しました。同社のコア技術は、ルビジウム蒸気内の量子干渉効果を利用した原子フォトニックチップに基づいており、電場および磁場の測定において高感度を実現します。これらの量子原子センサーは小型化され、携帯性が最適化されており、医療診断、GPS不要のナビゲーション、地球物理学、重要インフラの監視などでの使用が可能です。 この資金は、新しいプロトタイプの開発、欧米での商業的拡大、およびICFO(フォトニックサイエンス研究所)とCNR-IFNミラノの研究から生まれた知的財産に基づくデバイスの改良に充てられます。同社の研究開発は、精密フォトニクスと量子計測を組み合わせた研究を行うGianvito Luciveroが主導しています。QSENSATOの開発ロードマップはイタリア国立量子科学技術研究所(NQSTI)と連携しており、PNRRの枠組みと科学人材の本国帰還を促すRita Levi Montalciniプログラムの恩恵を受けています。 QSENSATOは、Start Cup PugliaやGIStartup Awardなどの国内イノベーションコンペティションで受賞するなど、早くから注目を集めています。同社は、学術的・法的パートナーとの積極的な協力のもと、コンパクトな量子デバイスによる高精度センシングの商業プラットフォームの確立を目指しています。量子センシング分野におけるディープテック・イノベーターとしての同社の位置づけは、原子スケールの測定プラットフォームの実用的応用に対する投資家の信頼の高まりを反映しています。 2025年5月19日