IBMとシカゴ大学は、量子ソフトウェアの開発やアルゴリズム・アプリケーションの探求に取り組むDualityのスタートアップ企業に、リソースと支援を提供する意向を発表しました。Dualityは、シカゴ大学のPolsky Center for Entrepreneurship and InnovationとChicago Quantum Exchange (CQE)が共同で主導する量子スタートアップアクセラレーターで、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校、アルゴンヌ国立研究所、P33が設立パートナーとして参加しています。 選ばれたスタートアップ企業は、Illinois Quantum and Microelectronics Park (IQMP)に配備予定のIBM Quantum System Twoへのアクセスが可能になります。また、IBMの企業ベンチャーキャピタルファンドであるIBM Venturesからの資金提供や、クラウドを通じたIBMの量子コンピューターへのアクセス、技術的な専門知識の提供も受けられます。この計画は、量子コンピューティングスタートアップのパイプラインを特定し育成するというシカゴ大学の目標に対するIBMの支援を拡大するものです。 この取り組みは、IBM、シカゴ大学、およびイリノイ州全域の組織間での継続的な協力の一例です。これは、Hyde Park Labsに設置されるIBM Quantum System Twoを中心とし、量子中心のスーパーコンピューティングを活用するアルゴリズムの発見を目指すIQMPの国立量子アルゴリズムセンター(NQAC)の計画とも連携しています。シカゴ大学のエコシステムにおける支援要素には、専用の量子スイートを備えた新しいUChicago Science Incubatorや、量子コンピューティング企業を対象とした2,500万ドルの新ファンドであるHarper Court Venturesも含まれています。 この協力関係は、イリノイ州の量子イノベーションにおける地位を強化し、量子エコシステムの発展を加速することを目指しています。IBMとシカゴ大学は、今後10年間で40,000人の学生を量子コンピューティングのキャリアに向けて育成することを目標に、日本と韓国でも量子教育イニシアチブで協力しています。イリノイ州でのIBMの取り組みには、量子コンピューティングおよび関連技術分野に焦点を当てたイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校とのIBM-Illinois Discovery Accelerator Instituteでの協力も含まれています。 2025年7月24日