量子金融技術企業のOrientomは、バンコクで開催されたタイ量子サミット2025への参加を機に、東南アジアへの事業展開を開始した。8月3日から5日まで開催された本イベントは、協力関係の促進と量子技術エコシステムの発展を目的として企画された。サミットでは、Orientomが開発中の金融量子技術を紹介するセッションを行った。 セッションにおいて、Orientomは量子金融アルゴリズムの開発状況とユースケースについて説明を行った。Orientomのチーフ・フィナンシャル・オフィサーであるチュ・ジョンホによると、量子アルゴリズムにより、モンテカルロ・シミュレーションやブラック・ショールズモデルの有限差分法などの高次元確率モデリングと計算を、計算速度を向上させて処理することで、複雑な仕組債のリアルタイムの価格付けとリスク分析が可能になるという。同社の技術はデリバティブと仕組債の評価を目的としている。 OrientomのCEOアルフレッド・バンは、今回のサミットがタイとアジア太平洋地域への展開と協力関係構築の機会となり、グローバルな量子エコシステムへの貢献を目指す同社の取り組みを後押しすると述べた。本イベントは量子技術研究イニシアチブ(QTRI)が主催し、タイ量子技術研究イニシアチブコンソーシアム(QTRic)、プログラム・マネジメント・ユニット-B(PMU-B)、国立高等教育科学研究イノベーション政策委員会(NXPO)が公式スポンサーとして参加した。 2025年8月6日