米国議会の上院議員らが連邦機関のPQC移行戦略とパイロットプログラムに関する修正案を提出

上院議員のゲイリー・ピーターズ(民主党-ミシガン州)とマーシャ・ブラックバーン(共和党-テネシー州)は、2026年度国防権限法に対する超党派の修正案SA 3684を提出しました。「連邦機関のポスト量子暗号への移行戦略」と題されたこの修正案は、量子耐性を持つサイバーセキュリティ基準への連邦政府の移行に向けた、調整された国家戦略の確立を目指しています。 この法案は、量子情報科学の経済・安全保障への影響に関する小委員会(ESIX)に対し、法律の制定から180日以内に国家量子サイバーセキュリティ移行戦略を策定するよう指示しています。この戦略には「暗号学的に関連のある量子コンピュータ」の定義や、各機関がPQC移行の緊急性を評価するための基準が含まれます。修正案では「ポスト量子暗号」を、量子コンピュータまたは古典的コンピュータのいずれによる攻撃にも特に脆弱ではない暗号アルゴリズムと定義しています。また、準備から監視までの4段階の移行プロセスに関する性能指標も示しています。 ESIX小委員会はまた、ポスト量子パイロットプログラムを確立することを義務付けられており、各セクターのリスク管理機関は2027年1月1日までに少なくとも1つの重要システムをPQCにアップグレードする必要があります。さらに、電子政府局長官は、PQC移行の費用を判断し、必要な資金を特定し、民間部門の採用を促進する方法について助言するため、連邦機関の調査を行うよう指示されています。 この法案は、戦略、パイロットプログラム、費用調査の結果について1年以内に議会に報告することを義務付けています。その後、米国会計検査院長は各連邦機関の進捗状況について年次評価を提出することが求められます。この法案は、量子耐性のある基準で連邦システムを保護するための調整された国家戦略を確立する取り組みを示しています。 2025年8月6日