TAU Systems Inc.と米国エネルギー省ローレンス・バークレー国立研究所(バークレー研究所)の研究者らは、レーザープラズマ加速器(LPA)を用いた自由電子レーザー(FEL)から強力な可干渉光パルスの生成に成功しました。Physical Review Lettersに掲載されたこの科学的な成果は、量子コンピューティングに直接応用可能な基盤技術である小型FELが、実用化可能な段階に達したことを示しています。 この共同研究は、FELの物理的サイズを縮小するためのレーザー駆動加速手法に焦点を当てました。LPAは従来の線形加速器の2,000倍もの強力な加速勾配を実現し、より小さな設置面積で電子エネルギーを達成することを可能にしました。このシステムは指数関数的なFELゲインを実証し、数時間にわたって安定したビームで可干渉放射を生成しました。TAU Systemsは、バークレー研究所とのCRADA(共同研究開発契約)のもと、加速器ビーム物理学、FEL最適化、LPAシステム設計に関する専門知識を提供しました。 小型X線FELの開発は、量子技術への応用が期待されています。これには、超微細な特徴サイズを持つ量子デバイスのパターニングのための次世代リソグラフィ技術、シリコン量子デバイスの大量製造、超伝導体、量子磁石、トポロジカル絶縁体などの量子材料の特性評価と開発が含まれます。この技術は、これまで大規模な国立研究所に限られていたツールへのアクセスを民主化することを目指しており、量子デバイスや材料の開発と製造を加速する可能性があります。 2025年8月6日