Oxford Ionicsは、QUARTET(QUantum Advantage-Ready Trapped-ion Exploration Testbed)と名付けられた完全統合型のイオントラップ量子コンピュータを英国国立量子コンピューティングセンター(NQCC)に納入・設置しました。英国の量子コンピューティングの国立研究所であるNQCCは、Innovate UKと協力して商業利用事例のテストと開発を目的にシステムの供給資金を提供しました。QUARTETは、NQCCのハーウェルキャンパスにある量子データセンターに設置されました。 QUARTETは、Oxford Ionics独自のElectronic Qubit Control技術を活用した完全統合型のイオントラップ量子コンピュータで、量子ビットの制御にレーザーの代わりに電子を使用します。量子ビットの捕捉と制御に必要なすべてを標準的な電子チップに統合したシステムアーキテクチャは、拡張性をサポートしています。Oxford Ionicsの量子コンピュータは現場でアップグレード可能で、周辺インフラを変更することなく量子プロセッサユニット(QPU)を交換することで、既存のシステムをより高性能なシステムにアップグレードできます。同社は、2量子ビットゲート忠実度、単一量子ビットゲート忠実度、量子状態の準備と測定(SPAM)で記録を保持していると報告しています。 NQCCは、英国の量子ミッションプログラムの一環として、QUARTETをアプリケーション研究開発に活用します。このプログラムは、量子技術の商業化と導入への技術的障壁を取り除くことを目的とした量子コンピューティングプロジェクトに投資するものです。Oxford Ionicsは、RiverlaneとBay Photonicsとともに、QUARTETを2D量子ビット接続に拡張するQ-Surgeプロジェクトの量子ミッションパイロットに選ばれました。このシステムの設置成功は、スケーラブルで耐障害性のある量子コンピュータの構築とNQCCのテストベッド構想の推進に向けた一歩と見なされています。 2025年8月13日