Terra Quantumは、QMM拡張エラー訂正と呼ばれる新しい量子エラー訂正手法を詳述した査読付き論文を発表しました。量子メモリマトリックス(QMM)と呼ばれる概念に基づくこの手法は、ハードウェアで検証された、測定を必要としない量子エラー抑制アプローチです。この技術はIBMの超伝導プロセッサーで検証されました。 QMM層は、回路中の測定や二量子ビットゲートの追加なしに忠実度を向上させる、軽量なユニタリ「ブースター」として機能するように設計されています。繰り返しコードと組み合わせると、論理忠実度が94%まで向上し、CXゲートを追加することなく32%の向上が達成されたと報告されています。シミュレーションによると、3つのQMM層で、10分の1の量子ビットしか必要としない距離3の表面コードと同等のエラー率を達成できることが示唆されています。変分量子分類器などのハイブリッドワークロードでは、QMMは訓練損失を35%削減し、実行間のパフォーマンスのばらつきを半減させるとされています。 このアプローチは、従来のエラー訂正手法が実用的でない可能性のある、ノイズのある中規模量子(NISQ)プロセッサーのためのパラダイムとして位置づけられています。アーキテクチャの変更を必要とせずに既存のマシンで展開可能なエラー抑制を可能にし、回路中の測定が実現不可能なプラットフォーム全体での課題に対処します。この手法は、量子ビットあたりのパフォーマンスを向上させ、スタックの再設計を必要とせずにスケーラブルでフォールトトレラントな量子コンピューティングへの道筋を提供することを目的としています。 2025年8月15日