三井物産株式会社、QSimulate、Quantinuumは、新しい量子統合型化学プラットフォーム「QIDO(Quantum-Integrated Discovery Orchestrator)」の立ち上げを発表しました。このプラットフォームは、高精度な化学反応モデリングを通じて、新薬や新素材の開発にかかる時間とコストを削減することを目的としています。このハイブリッドプラットフォームは、古典的計算と量子計算のワークフローを組み合わせることで、研究開発を加速します。 QIDOは、QSimulateの古典的ソフトウェアであるQSP Reactionと、量子エミュレーターやハードウェアへのインターフェースを提供するQuantinuumのInQuantoソフトウェアを統合しています。このアプローチは、分子シミュレーションのための複雑な量子-古典ワークフローを効率化し、産業現場での量子化学技術の利用をより容易にすることを目的としています。プラットフォームの機能には、反応座標と遷移状態の自動識別、強相関系のハミルトニアンへのマッピング、量子回路と必要リソースの可視化が含まれます。また、量子ハードウェアを使用して反応物、生成物、遷移状態のエネルギー計算を最適化します。 このプラットフォームの使用事例には、触媒と酵素の設計、反応メカニズムの解明、バッテリー効率、持続可能な材料が含まれます。三井物産は日本におけるQIDOの独占販売代理店を務めています。一般公開に先立ち、三井物産はパナソニックホールディングス株式会社、JSR株式会社、中外製薬を含む企業とベータテストを実施しました。この協力関係は、製薬、エネルギー、化学分野における産業的課題への量子技術の応用を支援することを目的としています。 2025年8月19日