アトランティック・クォンタムは、フォールトトレラント量子コンピュータの開発を加速させるため、Google Quantum AIとの提携を発表しました。現時点では「提携」が具体的に何を意味するのか、買収なのか、開発パートナーシップなのか、従業員の雇用と資産の購入なのか、あるいは両社間の他の取り決めなのかは不明ですが、今後明らかになると思われます。 2022年にMITの研究室からスピンアウトしたアトランティック・クォンタムは、マサチューセッツ州ケンブリッジとスウェーデンのヨーテボリに拠点を置いています。同社は、Googleの量子コンピューティングの取り組みにとって非常に興味深い技術を持っています。これには、現在Googleが使用しているトランズモン量子ビットよりもはるかに優れた量子ビット忠実度を提供できるフラクソニウムベースの超伝導量子ビットが含まれます。同社は以前、2量子ビットゲートで99.9%以上、単一量子ビットゲートで99.997%の忠実度を達成したと報告しています。また、制御系と量子ビットを低温装置内の単一のモジュラーチップスタックに統合した、世界初の量子集積回路を作成したとも報告しています。アトランティック・クォンタムは、実験データを保存するデータベースSvalbardや、量子回路用のオープンソース言語OpenQASMのコンパイラであるShipyardなどのソフトウェア資産も保有していますが、これらが統合グループにとって価値があるかどうかは不明です。ShipyardソフトウェアはGoogleのCirqソフトウェアと同様の機能を持つため、重複する可能性があります。 Googleとアトランティック・クォンタムは共にDARPAの量子ベンチマーキングイニシアチブ(QBI)のステージAの参加者として選ばれており、両社の技術を統合することでステージBへの進出が可能になると考えられます。また、アトランティック・クォンタムはMIT、米空軍、Riverlane、米エネルギー省、SCALINQなど、様々な組織とのパートナーシップやグラントプログラムに参加してきました。これらのプログラムがすべて継続されるかどうかは不明です。 2025年10月2日