極低温冷却システムを専門とするkiutraは、資金調達ラウンドで1300万ユーロ(1520万米ドル)を調達し、民間および公的資金の総額が3000万ユーロ(3520万米ドル)を超えました。このラウンドはNova CapitalとFifty Five Northが共同主導し、High-Tech Gründerfondsや既存の出資者も参加しました。 この資金は、ヘリウム3を使用しないkiutra独自の磁気冷却技術の開発に充てられます。同社のシステムは、固体材料を制御された方法で磁化・消磁することで極低温を実現します。多くの量子システムが希少なヘリウム3に依存していることは、NATOやEUのイニシアチブによってサプライチェーンのリスクとして指摘されており、kiutraの技術はこの課題に対応することを目的としています。 すでに世界中でシステムを展開しているkiutraは現在、複雑な量子チップやフルスタック量子コンピュータに向けたモジュラープラットフォームへと事業を拡大しています。今回の投資は、R&D主導のスタートアップから産業規模の拡大への移行を示すものであり、量子技術のための持続可能な極低温インフラの構築を目指しています。 2025年10月2日