欧州高性能コンピューティング共同事業(EuroHPC JU)は、スペインのバルセロナスーパーコンピューティングセンター(BSC)に設置される量子アニーリングマシンMareNostrum-Onaについて、Do IT Nowと提携したQilimanjaro Quantum Techと調達契約を締結しました。総調達費用850万ユーロ(880万米ドル)で共同出資されるこのシステムは、当初少なくとも10個の物理量子ビットを提供し、将来的に量子ビット数と結束時間を増加させる計画です。EuroHPC JUが費用の50%を負担し、残りの50%をスペインデジタル変革・公共サービス省が負担します。MareNostrum-OnaはBSCの既存のデジタルゲートベース量子コンピュータ(Quantum Spainイニシアチブの下で調達)を補完し、EuroHPCスーパーコンピュータMareNostrum 5(MN5)に統合されます。 欧州初の量子アニーリングマシンとして、MareNostrum-Onaは最適化問題を解決するためのユニークな機能を提供し、欧州の研究者、産業界、公共部門が利用できる量子技術の多様性を高めます。このシステムは、産業、科学、社会に高い影響を与える分野におけるイノベーションを促進するため、欧州全域に様々な量子コンピューティングプラットフォームを展開するというEuroHPC JUの広範な戦略の一部です。BSCが主導し、IFAEやINLなどのパートナーを含むEuroQCS-Spainコンソーシアムが、このプロジェクトを共同出資し支援します。 MareNostrum-Onaの設置は2025年に開始される予定です。このイニシアチブは、量子コンピューティングとスーパーコンピューティングの統合において欧州を最前線に位置付けるというEuroHPC JUの目標に沿うものです。量子アニーリングと従来型のHPCリソースを組み合わせることで、MareNostrum-Onaは材料科学、物流、人工知能などの分野における研究を加速させながら、量子コンピューティングにおける欧州の技術主権を強化することを目指しています。 2025年2月1日