IonQ、電子量子ビット制御技術を用いて99.99%の2量子ビットゲート忠実度を達成

IonQは、量子コンピューティング企業として初めて「4ナイン」の指標を超え、99.99%の2量子ビットゲート忠実度を達成したことを示す技術論文を発表しました。この性能指標は量子演算の精度を測定するもので、2024年に設定された従来の記録99.97%を上回りました。この成果により、エラー訂正に必要なオーバーヘッドを削減し、IonQの耐障害性量子コンピューティングへのロードマップを前進させました。 この結果は、IonQの研究開発ラボのプロトタイプで達成され、Oxford Ionicsとの合併を通じて取得した同社独自のElectronic Qubit Control (EQC)技術によるものです。EQCは、トラップされたイオン量子ビットの制御にレーザーの代わりに精密な電子機器を使用します。すべての量子ビット制御コンポーネントを従来の半導体チップに統合することで、同社は既存の半導体製造を通じたシステムの製造を目指しています。 この向上した忠実度は、大規模な耐障害性システムへの道筋を加速することを目的としています。IonQは、この性能向上により、99.9%の忠実度を持つシステムと比較して1010倍の性能向上が得られると推定しています。研究開発ラボで実証されたこの技術は、2026年にデモンストレーションが予定されているIonQの256量子ビットシステムの基礎となります。 Oxford Ionics(現IonQ社)の共同創設者であるクリス・バランス博士は、標準的な半導体製造工場で製造されたチップで99.99%の閾値を超えたことは、数百万量子ビットへのスケーリングへの明確な道筋を示すと述べています。より高いネイティブゲート忠実度により、顧客はより複雑なアルゴリズムを実行でき、操作あたりのエラーが少なくなることで市場投入までの時間を短縮できるとしています。 2025年10月21日