欧州宇宙機関と欧州委員会が量子セキュア宇宙通信ネットワークの構築で提携

欧州宇宙機関(ESA)と欧州委員会は、量子セキュアな通信ネットワークを確立する画期的な取り組みである欧州量子通信インフラストラクチャ(EuroQCI)に関する協力を最終化しました。このネットワークは、量子鍵配送(QKD)を活用して、重要な政府データ、個人情報、電力網や緊急サービスなどの重要インフラを保護します。この合意は、2030年までに量子能力でリーダーシップを発揮するというEUのデジタル・デケード目標達成に向けた重要な一歩となります。 EuroQCIシステムは、地上技術と宇宙ベースの技術を組み合わせています。地上では、量子セキュリティ機能を強化した既存の光ファイバーネットワークを使用します。宇宙では、ESAは光学・量子通信(Scylight)プログラムの下で衛星コンステレーションを開発しており、最初の衛星であるEagle-1は2026年に打ち上げ予定です。SESテクコムが主導する産業コンソーシアムと共同開発されるこの衛星は、宇宙ベースのQKD技術を検証します。このプロジェクトは、欧州の安全な衛星コンステレーションであるIRIS²とも整合しており、量子セキュア通信のシームレスな統合を確保します。 ESAのヨーゼフ・アシュバッハー長官は、このパートナーシップの重要性を強調し、EuroQCIが安全な量子通信のグローバルスタンダードを設定すると述べました。この取り組みは27のEU加盟国すべてから満場一致の支持を得ており、その戦略的重要性が強調されています。このプロジェクトは、新たなサイバー脅威から保護するために地上と衛星の技術を組み合わせた、欧州の量子戦略の要となるものです。 2025年2月3日